バイアグラと併用してはいけない薬剤がある!

バイアグラと併用不可の薬剤について説明する男性

ご存じの方も多いと思いますが、バイアグラはもともと狭心症の治療薬として開発された経緯があり、臨床試験中にED(インポテンツ)への効果が発見された薬です。バイアグラと併用してはいけないもの、つまり「飲み合わせてはいけないもの」として、添付文書には、3グループの医薬品が挙げられています。これを併用禁忌薬といいます。バイアグラの併用禁忌薬は以下の3グループです。

(1)硝酸剤及びNO供与剤(ニトログリセリン、亜硝酸アミル、硝酸イソソルビド等)
(2)塩酸アミオダロン(アンカロン錠)
(3)sGC刺激剤リオシグアト(アデムパス)

(1)のNO供与剤というのは、一酸化窒素供与剤のことです。硝酸剤及びNO供与剤は、狭心症の治療に用いる薬で、冠動脈(心臓の周りの血管)を広げて血流をよくする働きと、全身の血管も同時に広げて心臓の負担を軽くする働きがあります。併用禁忌薬となっている理由としては、バイアグラと併用することで、硝酸剤の降圧作用が増強し、過度に血圧が下降してしまう恐れがあげられています。硝酸剤には、狭心症の発作を抑える代表的な薬、ニトログリセリンがありますが、飲み薬・舌下錠・貼り薬・吸入薬・注射・塗り薬・スプレーの形状があります。また、ニトログリセリンのように発作時だけに使用するのではなく、狭心症発作の予防薬として、毎日服用、貼付するタイプの硝酸剤もあります。

(2)の塩酸アミオダロンは、不整脈の治療に用いられますが、不整脈の中でも、他の薬が効かない重い不整脈の方に使用され、非常に強力な抗不整脈作用がある反面、新たな不整脈や、肺線維症など重篤な副作用が多いのが欠点です。バイアグラとの飲み合わせにおいては、詳細な理由は未解明ですが、バイアグラの類薬と塩酸アミオダロンの併用により、QTc延長があらわれるおそれがあるとの報告があります。このQTc延長によって致死的不整脈が起こり、突然死してしまう可能性があります。

(3)sGC刺激剤リオシグアトは、外科的治療不適応又は外科的治療後に残存・再発した慢性血栓塞栓性肺高血圧症に用いられます。この慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、肺高血圧症の一種で、進行性で致死性の疾患です。sGC刺激剤リオシグアトとバイアグラの併用では、症候性低血圧を起こす可能性があります。

そもそも、「心血管系障害を有するなど性行為が不適当と考えられる患者」へはバイアグラの服用は禁忌となっています。ですから、これらの薬剤を服用している方は上記薬剤を中止してバイアグラを使用すれば良い、ということではないので、まずはかかりつけ医に相談してください。

死亡事故につながる危険な飲み合わせとは

バイアグラの併用禁忌については、上述の通りで、飲み合わせによっては死亡事故につながる場合も有ります。その理由としては、繰り返しになりますが、硝酸剤あるいはその他の一酸化窒素(NO)供与剤などとの併用は血圧低下を増強し、過度の血圧降下によって生命の危険につながる場合があることと、心血管系の障害をもつ方、高血圧・低血圧で適切な治療を受けていない方などはバイアグラの服用や性行為そのものよって死亡事故を起こす可能性があることが挙げられます。

また、バイアグラを服用できない方として、「バイアグラの成分に対して過敏症の既往歴のある患者」がまず記載されています。その理由としては、国内の臨床試験で「かゆみ」「まぶたのかゆみ」「発疹」が、また外国の臨床試験で因果関係ありとされた「発疹」が、過敏反応の関与が否定できない副作用症状として報告されています。また、薬の主成分だけでなく、添加物として青色2号等が処方されており、これらのいずれの成分に対しても過敏症(かゆみや発疹など)の既往歴がある場合は服用することが出来ません。過敏症は、ひどい場合にはアナフィラキシーショックを起こし、死亡事故につながることもあります。